それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

Chambolle-Musigny Les Bussieres2018(Hubert Lignier)


シャンボール ミュジュニー ピッシェール(ユベールリニエ)

強大な権力争いも身内の相続争いも前向きな感情の未来志向で動くというよりは、ネガティブな感情の私怨、怨嗟、過去の恨みが強力なモチベーションとなり力学として動くということを見せつけられている昨今ですが、ここも身内で確か揉めたはずでそれがとりあえず解消されたのが2014年のはずですが、呪詛とはなかなか消えないもので果たしてどうなっているでしょうか。ま、個人的には好きな作り手で19年のACブルや村名などはなかなかの佳作のように思っています。

香りは冷涼感が飛び込みつつ、ブラックペッパーと乾燥タバコ、鉛筆の芯、奥から木苺、柘榴、スモモ、まだ硬さのあるミネラル感、それが混ざって小児用の甘い薬的な香りが潜在意識の何かを刺激します。笑
黒系果実主体ながら透明感を感じさせる赤系果実は有るものの透明感の出るちょい前。
あ、飲んでいていて思い出しましたが18のここのACは妙にナチュールチックな香りが何本飲んでも支配的だったのですが、それはこちらにはないです。
味わいはガツンと来る強さというよりVT由来から来ると思われる濃度はしっかりと感じます。粒子の細かいタンニンはしっかりと余韻まで主張しそれに相まって穏やかながら太い酸味がや口内に最後まで続きます。余韻はクラス相応。果実としては黒系と赤系両方感じますが現在はまだ黒系主体でステーキにも初日の段階では行けるかなという雰囲気。
2日目、3日目と香りは発展向上して、冷涼感は失われないまま深紅の薔薇、生肉、赤黒混ざった果実。味わいもミネラルが解けてアルコール感も抜けますが複雑性が更に出るまではもう一息というところでしょうか。余韻は果皮の苦味と細かいタンニン。
シャンボール的かと言えばまだそんな感じもしませんが、お隣のモレ的な要素はあまり感じません。
個人的には2030年くらいにはかなり良くなっていそうで、その辺も含めて悩ませてくれる作り手であります。