それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

HdB Mazis Chambertin2004(La Gibryotte)

f:id:dolceacqua:20211225151523j:plain
マジ シャンベルタン(ジブリオット)
 

今年も年末になり色々と思い浮かべているのですが、個人的には色々と苦しい事のあった最終年となりました。(というかそうあってほしい)ここでは自分の整理のために、いつもと違う感じになります。
✳︎
少し前に母を看取ったと思ったら今度は父が逝ってしまった。母が亡くなり1年位した時に父から”体がおかしい”という言葉を聞いた。あの父が死ぬ筈がないと思ったが、その喉から絞り出されたような声に心が動き医師の友人に無理を承知で検査をお願いした。
結果、正常範囲内高値から1000倍以上の数値が叩き出されていた。それを聞いた瞬間に軽く目眩がした一方、突き抜けた人生を送ってきたからこういうところも突き抜けてしまうのか、と不謹慎ながら思ってしまった。
✳︎
治療は何とか上手くいき普通の生活は取り戻していたのだが、久々の画像診断で医師が困惑しながら話し始めた。”数値自体は下がっているのですが…”その医師は放射線科医の為、画像診断学スペシャリストになる。
元々beautiful bone scanという状態だったのだが、人が思いつく殆どの臓器に病が蔓延していた。
✳︎
会葬の時に友人医師の言葉”お父さんの病気はお母さんが亡くなる前から始まっていたと思う…”という言葉を思い出していた。会場で弦楽五重奏が流れる中、僕は泣き母の死に囚われて父を急がせてしまった事を恥じた。チェロの低音が父が呼ぶ声の響きに似ていた。
✳︎

f:id:dolceacqua:20211225153750j:plain
今回はこのワインを開けてみました。この05を飲んだ時の驚きー、しなやかさと強さと中心に太陽でもあるかのようなコア感を感じさせた味わい。04は一般的にはオフとされていますがこの作り手がどのようにこのワインを仕上げたのか気になり49日も終わったので区切りの意味で開けてみました。
05年のようなエバーグリーン感はないかもしれませんが、透き通るような純度の高い赤い香りが優しく立ち上がります。味も構成の大きさは05には断然及びませんが、しっかりと口内で伸びていき、まだまだ熟成する要素も残されています。

今年ももう暮れかぁー、

あ、そんなことより

Have a Merry Christmas!

にほんブログ村 酒ブログへ
にほんブログ村