それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

Sancerre Blanc Les Boucauds 2021(Claude Riffault)


サンセール レ ブコー(クロード リフォー)

これはある僧の講和で聞いたのですが、出家してすぐにダメになるかならないかは決して体力の問題ではないということらしいです。つまり娑婆への未練が断ち切れていない、後ろを断ち切ってきてない事ー、、昨日のカツ丼が美味かったとか恋人と会いたいなど、それに引きずられてズブズブと駄目になっていくと。なるほどそれはわかるかもしれません。
ここ最近、白では放浪の旅に出て色々と飲んでいるのですが、さて後ろを振り返らずにいられるか。

まずはこの作り手。エントリーラインであろうこの辺りから。
香りはミネラル主体、とても若い黄色い柑橘、少しのフリンティー、スワリングで滴り落ちるレモン汁。淡くグリーンフレーバー。どこまでもスレンダーな様相。
味わいは柑橘と酸味主体、果実がダレるなど皆無のスパルタンスタイルが炸裂しており酸味で舌がピリピリ痺れます。(誇張ではない)笑
2日目は香りが少し丸みを帯びてきた印象。
3日目になると鋭角だった酸が穏やかになり酸化によって熟された果実と調和しています。多くの人はこの位のバランスが飲みやすく好みかなとは思います。
若い柑橘、黄緑のバーブなどと聞くとどうもシャバさ想起させてしまいそうですが、緊張感のある液体に張り詰められたクリスタル的ミネラルはそう易々と他人に靡かない強さがあり、節度を持ちながら凝縮されている果実と相まって終始知的です。
価格も存在も宇宙の膨張速度並みに遠くなりつつあるLamyが10年くらい前のバチバチに硬派だった頃を思い出したい方にはこのワインは合い通ずるものがあるかもしれません。熟成で素晴らしくなるのは約束されたようなもので、リリースしたてのこちらはドSを貫いています。
さらばハイセイコーの詩ではないですが、後ろに夢がなければ振り向く必要はないんですが、たまにさしてもいない後光がさしてるように感じて振り返っちゃうのが人生ですよね。笑


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