ブルゴーニュ コートドール ブラン(フーレ ルーミエ ド フォセ)
競馬を見ていると生命の連続性という事が意識されることがあります。この世界も生きるスピードの流れは早くなってきているようで、競走馬としての期間は通常長くて3年位。そうなると油断しているうちに応援していた馬が引退からの繁殖入りですぐその産駒の馬が次々に生まれ、またその馬が繁殖入りしてとなっていきます。これが所謂競馬のロマンの一つの血統というやつでしょうか。またもう一方で、とんでもない駄馬からとてつもないスターが生まれることもあるもので、ダンシングキャップ産駒のオグリキャップがまさにそれでこれも一つのロマンの形。ここには100年時代の人生を迎えた我々には見えないものを時に鮮やかに見せてくれる時があります。
ドメーヌを見ているとなんとなくそれに近いようなものを感じる時があります。作り手の引退や鬼籍入りドメーヌの廃業、そこからの代替わり、ドメーヌや畑の買収、統合、婚姻関係からの血縁関係。スパンは30年くらいながらここにも生命の連続性というものが感じられ、個人的にはそれもブルゴーニュの魅力の一つです。
このベタ凪どころか全く話題にもなっていないメゾン。まず名前からして売れそうになさそう(苦笑)ですが1999年〜2005年の短い間に彗星とした現れた伝説のドメーヌのカーヴを使って醸造しているようです。そして2回飲んで2度目は香りがガッツリ閉じてしまっていましたが非常に良くできていると感じました。
香りは若いグレープフルーツ、灰色の岩や砂利の様なミネラル、淡い黄金糖に少しオイリーなニュアンスも感じさせてくれます。
味わいもこのVTにして果実と酸の折り合いが取れていてとてつもない凝縮感などはないですが果実がシャバイということはなく品の良さを感じさせてくれスレンダーに伸びていきます。このクラスメントにしてはあまり感じられないネットリとした印象も少し感じ取れるでしょうか。
VT が若い故に液体には適度な緊張感がありつつ、拒絶感は皆無、横にも膨らみません。
果実、ミネラル、酸のバランスが良くついつい飲み進めてしまいいつのまにかグラスからなくなっています。
2日目は果実がやや落ちた分、ソリッドになった印象。酸化耐性はしっかりあります。
さて、ハレとケの往来月間突入ですね。
蓄えたものをどんどん放出しようではありませんか。