それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

SAVIGNY 1er CHAMPS-CHEVREY MONOPOLE2021(TOLLOT BEAUT)


シャンシュヴリ(トロボー)

ワイン好きの(誰もが)その時々でワインに対しての距離感は違うものの高い高いと言いつつ当方もまだうっすら買っています。飲む量より買う量の方が明らかに多い。一種の気の病。笑
かつて植木等はスーダラ節の歌詞に最初疑問を抱き浄土真宗の寺の住職である父に相談したところ親鸞聖人の教えがあると言われ決心がついたというエピソードがあります。歌詞を見てどの部分か考えると”わかっちゃいるけど、やめられない”というところだろうと何となく察しがつきます。
釈尊の時代から仏教の基本は現実と自己のギャップに直面して、現実が自己の思い通りにならない”苦”をいかに超克し心身の安らぎに到達するかという点にあるのですが、もはやそんなことはここではどうでも良し。笑
“わかっちゃいるけどやめられない”は、煩悩具足の輩こそ救われるという浄土真宗の教えにどこかでつながるのでしょう。この潔さにこそ心身の安らぎと救いの光あり。笑
これはワイン好き(特にここではブルゴーニュ)もそうなのではないでしょうか。旨味と雑味を履き違えたようなナチュールを飲ませてもらっている最中に引き攣りそうな顔を気合いを入れた笑顔でマスキングして脳裏の片隅を過ぎるのはあ〜言葉が見つかんねぇですし、つまらない会議中など顔は真剣ながら心は1万フィート上空にあり今日は何飲むかしか思考は及んでいないですし、思いもよらなかったところから新しい発見があった時など日常の最高の歓びです。まぁ、これは一つの例ですが誰もが?似たような思いを抱いたことはあると思います。確かに高くなりすぎて馬鹿らしいのはありますがそうまでした愛した(飲み込んだ)ワインを今更簡単に手放す事はできないのが実情でしょう。それは人生そのものなんだから。

閑話休題

このワイン性格の悪い自然派ワインラバーと飲んだのですが全く無関心でした。むしろ軽くこき下された感すらあり、趣味が違って本当に良かったと八百万の神に感謝したくらいです。笑

香りはピンクの薔薇、ローズヒップ、透き通るような赤い果実、灰色の石。時間経過で真紅の薔薇が咲き、樽から来ると思われるほんのりとした香木と少しの黒い大地香。香りは強く主張してこないものの非常に緻密。
味わいは濡れ感のある赤系果実主体で、透明感のある小粒のチェリー的なリキュールの甘味に果皮の苦味が加わり少しの樽が混ざりつつ、冷涼感のある酸が余韻を引き延ばしてくれます。
自然派ワインラバーどころか市場では全く動いていないベタ凪銘柄ながらブルゴーニュ好きからしたら香りも味も一発了解ワインであり、これぞブルゴーニュの懐の深さよと思うのでした。

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HCdN2020(Guy Simon)


オートコートドニュイ(ギィ シモン)

何の覚えもなく風邪を引いてしまったようです。ますば喉の痛みから、その後に水鼻、そして身体のだるさ。熱はあるのかないのか測ってないです。苦笑 とりあえず寝て治すのが基本方針。
そんな時に欲しかったCDがメル仮から到着して慰めがてらに聞いてみたら何と初っ端から音飛びするじゃないか…という事で尚更具合が悪くなったのですが、傷が無いことからここは長年生きてきた知識をフル活用。冷凍療法にて冷凍庫に1分(やったことありますよね?)つけおいて外気欲に晒したら何かが整って復活。めでたしめでたし。まぁ、デジタルだったらこんな事にならないんですけどね。昔の人がヴァイナルにこだわっていたのはこんな感じかと思うと随分自分自身歳をとった気分にさせてくれるものです。笑

閑話休題

このワイン、個人的な偏見ですがエチケットからちょっと自然派の香りがぷんぷんしてきてどうかなぁ、と思ったのですが興味本位で買ってみました。
香りはナチュールといよりビオを感じさせるもので少しの還元にヨード香。少し前のロッシュドベレーヌのACブルの様な雰囲気。
味わいもしっとり落ち着いた果実で例えるなら田舎に住む顔が丸っこい高校生くらいの女性といった感じ。全く垢抜けなくオートコートドニュイにしてはやぼったい感じでしょうか。
価格も、3000円以下なので今の時代この辺の価格帯でブルゴーニュを探すなら野暮で垢抜けないことは必須条件であり妥協点なのかもしれません。
こちらは冷凍療法による修復並びに向上は期待出来なさそうなのでアッサンブラージュ療法がいいのかもしれませんね。それはそれでセンスと経験が必要なんですけどね。笑

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Fixin 2021(Chevigny-Rousseau)


フィサン(シュヴィニー ルソー)

ちょうど去年の今頃は熊野を旅していたはずで、今年は所用で何故か同じタイミングで彦根に。
一泊二日、車で弾丸。宿泊地は名古屋。夜は割烹を頂きそのままお暇しようとしたのですが、お付き合いということで場末のスナックに連行され久々に2時まで。ママはサミットプッシュ中の84歳。笑 解放されて命からがらホテルに帰り翌日鉛となった身体に鞭を入れてなんとか立ち上がり車を2時間飛ばして彦根まで。通常は大津から入るのでこちらから入るのは初めてであり、これはー、という事でずっと行ってみたかった太郎坊宮という修剣道の聖地まで足を伸ばしたのでした。自分自身かなり厳しい場所にあるのでは?と前段階では思っていたのですが実際そうでもなくかなりの人がいることから結構観光地化しているなという印象。やはり自分含めて人がいることによって損なわれてしまう何かがあるのは間違いない事実と再確認。しかしながらここの夫婦岩はなかなか見応えがあり景色も良く時間がゆっくりと流れているような気がしたところでタイムアップ。脱兎の如く山を降りて目的地に向かったのでした。

閑話休題

香りは濃縮したベリーに小気味良いグリヨットの赤系果実、乾燥タバコ、そこに新樽が控えめ程度に主張してきます。澄んだ赤系果実8にポタポタと朱色2くらい滲ますようなイメージ。
味わいも瑞々しい小粒な赤系果実が弾けて、口内を推し進めながら果皮の心地よい苦味がそれに被さるように覆ってきてクラスメントにしては比較的長めの余韻があります。時間経過で余韻の最後で少し甘みが出るのが気になります。まぁ、温度帯の問題でしょう。21年に言われる弱さは感じません。
2日目も崩れることはないものの少し新樽のニュアンスが主張してくる味わいに。ちょっとばかし余韻が野暮ったく感じるのはこの地の愛嬌でしょうか。

それにしても聖なる所で身を清めると?俗世の喧騒を何となく欲するのは必然なのかはたまたただのタイミングなのか。まぁ、そうやってグルグルと回るのが人生なのかもしれせん。久々に大好きだった天皇賞秋でもやってみるかな。
そんな事を考えながら深夜の高速を500kmひたすら走り続けるのでした。

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Bourgogne Pinot noir2014(HENRI GOUGES)


香りはここ最近にしては久々にクラシカルな感じ。というか保守。笑
まぁ強くは香りませんが、作為も感じません。黒系果実、鉛筆の芯や鉛、タバコの葉、そこから差し色として紫の果実。比較的品温から低いところから始めたので、品温が上がると熟したベリーが立ち上がります。
味わいもカッチリしたスタイルで果実味ではなく透明感のある液体に赤、黒、紫の果実が染み出してくる印象。今のスタイルと比較するとワイン単体で飲むと分かりにくく面白みはないかも知れませんが、料理などと合わせると良い感じです。まだまだ当分先まで持ちそうです。しかしながらナチュール好きに全く面白味の無いワインかな〜。笑

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Bourgogne Pinot noir2018(Robert Sirugue)


ブルゴーニュ ピノノワール(ローベル シリュグ)

香りはまず冷涼感があることに少し驚きます。そこから赤系と黒系果実が半々、柘榴、穏やかな黒土、テクニカル的なことは不明ですが少しの全房発酵を思わせる香り、但し嫌味にはなっておらず心地よい複雑性を与えています。
味わいもリリースから3年以上経ったせいでしょうか、液体は落ち着いて暑苦しさも脆弱さもなく中庸、果実は決して重くなく赤系果実主体で酸もいい具合にあります。ここから察するに余裕であと10年は変わらずに持つと思います。
2日目も要素が混ざり合って香り味共に柔らかくなり向上。3日目も崩れません。
某リアルワインガイドで散々足蹴にされていたドメーヌですがこのワインに関しては全く当てはまらないことをここに宣言しておきます。笑

これを飲んでつくづく思ったのは自分は十分これで満足できるんだなということ。
村名ワイン以上に感じる口内に入れた時の果実の跳ね返りや集中力、香りの複雑性や多幸感はないのですが…瑞々しさがあり、落ち着きがあり、はにかむ程度の果実の豊かさもあります。このきな臭くなっている世の中で今日一日生きれたことをゆっくりと振り返ることができるという贅沢時間。
2021年物の全てのACブルが高くなった今、ACブルゴーニュを開けることさえ何となくハードルが高くなっているのですが、ブルゴーニュワインってやっぱいいよな〜と、このワインを飲んでつくづく思ったのでした。ただしパスグラじゃなくてね。笑

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Beaune 1er Greves2021(TOLLOT BEAUT)


ボーヌ グレーヴ(トロボー)

今日はサラッと。

とりあえず村名から一級といくつか飲んでみたのですが、作風という意味でワインの方向性は一定していて、品質も安定しています。ナチュールではないですし時間経過でもしっかりと持つ作りをしています。
当方は飲めていませんがここのグレーヴの19と20は飲んだ人からするとかなり良かったようです。21に関してはVT的なところからでしょうが強さはありません。ラインナップに共通しているのは全体的に透明感のある赤系果実。このキュヴェに関してはそれにこの地の黒土が低域からフワァーと香ってきます。
9月くらいに飲んだ時のショレイはまだ整っていない感じがしましたが気温も下がってきた今、何を飲んでもおいしくなってきたのかもしれません。

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Chablis 1er Butteaux2015(Pattes Loup)


シャブリ ビュトー(パット ルー)

少し前に飲んだこの作り手の一級。果たしてどうでしょうか?

香りは白い石、大理石、岩、少しの樽香など果実の香りはせず笑、そこからそこはかとなく湧きあがるように立ち上がる品のある黄色い柑橘、時間経過で淡い林檎の蜜。
味わいはここまでミネラル香が先行すると通常パキっと硬水飲んでいる様になってしまうのですが、芯がありながら柔らかさをを併せ持っており、この産地特有のどこか味が素っ気なく平坦で中抜けするような隙が一切ありません。味もキンメリジャンの石灰がバシッと決まっていて横にだれずに喉奥に留まり続ける苦味と塩味の余韻はひたすらに長いです。

やはりシンプルシャブリとは格の違いを感じました。自然派とされていますがあっち系の味ではありません。多分私は税込8K位での購入でしたがだいぶ高くなってしまったでしょうか?それでも機会があれば試して見ても良いかもしれません。

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