それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

Saumur Blanc2020(Guiberteau)


ソミュール ブラン(ギベルトー)

こちらはこの作り手のエントリーキュヴェ、さていかに。 

香りは火打ち石、カリン、淡く蜜と樽、白と薄い黄色の花、気品はエントリーキュヴェから兼ね備えています。
味わいもダレない引き締まった果実ながらシリアスになりすぎていないところがエントリーキュヴェとして秀逸。当然ながらBrezeに見られる隙なく緻密に散りばめられたクリスタル的ミネラルまでは及ばないのですがこれで十分この作り手の力量はわかると思います。
仄かな甘さを感じさせながらタイトな酸味を引き連れて口内で長めの余韻。
うーむ、これで十分満足度が高い。

情報によると関東では酒屋に卸すよりもレストラン、ビストロなどに多く卸しているらしくフランスから国内インポーターへの割り当ても年々減っている状況の様で入手難ブランになっている事だけが本当に惜しいです。

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Saumur Breze2019(Guiberteau)


ソミュール ブレゼ(ギベルトー)

さてこの時期にいつも書いているLamyですが、個人的にここからのLamyが今のフーリエの様に何となくダラダラと行くのか(失礼!)神格化していくのか興味があるところです。
ラミーについては超密植と言う誰もおこなわない道をいっており、その行為が味わいに転換される前からしっかりと批評と望みを託していたのはロマネさんと一部のワイン屋位でかれこれ10年くらい前になるでしょうか。
自分はと言えばー、確かに10年前はまだ安かった(多くのワインが)、ただ自由にできる金が少なく買えなかった。今は金にさほど不自由さを感じることは無くなった、しかし高くなりすぎて買えなくなった。ただそれだけの違いにすぎません。笑(正確に言うとそこまで出して買いたくないというのが正しい)
ただ、一つの教訓として言えるのは、大衆人気から離れた孤高の推奨銘柄は多くの人に真面目には受け取られず、概ね無反応に終わります。

と言うことで単勝1.1倍のブルゴーニュブラン達を横目に末脚をためているこちらの白ワインにポツン◎をつけたいと思います。

香りはー、と全て書いたのですがそんな事が野暮天と感じ消しました。
言える事として妙なナチュールワインが品種と土壌を正体不明なものへと破壊してしまうとしたら、このワインは品種と土壌を正統的に超越した、と言って良いかもしれません。とことんまでに削ぎ落とされた酒躯にはエナジーと魂が宿っています。

語りかけてくる果実は饒舌か寡黙か
散りばめられたミネラルは正統か異端か
感じる余韻は永遠か瞬間か
自身の態度は誠実か寛容か


運良く手に入れられた方は、さぁ夢を見よう。

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Bourgogne Aligote2021(Michel Noellat)


ブルゴーニュ アリゴテ(ミッシェル ノエラ)

なんだか気がつけば1月も最終の土日で今年も既に12分の1が終了しようとしていてトーマスマンの小説ではないですが、1週間位の療養予定のはずがうっかり7年近く経っていたみたいな感覚はきっと自分だけではない様に思うのですがどうでしょうか?


閑話休題


香りはレモンなど若い黄色い柑橘、白色の岩、うっすらと蜜、時間経過で白い花などが浮かびあがります。
味わいも尖っていないもののアリゴテ特有の酸味主体に淡い黄色い果実が乗ってくる感じで終始だれることはありません。口に入れて中盤くらいのところで液体の要素が中抜けする様な感じはあるのですがまぁ、このVTにして3000円以下なので文句はあまり言えません。ボトル差もあるかもしれないのでまた試してみたいと思います。

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Bourgogne Pinot noir2021(HUDELOT BAILLET)

言葉は悪いですが17年辺りを最後に理解不能になり買うのをやめてしまった作り手です。14年はバランスが良く個人的になかなか好きだったのですが、それから年々濃くなり15→16→17と年々濃くなるACブル三部作が爆誕。エレガントに流れたはずの17も濃ゆくとりあえず買い控えていました。
で、なんでお前再び買ってんじゃー?と言われれば価格が安いから買ってみた。と言うどうしょうもない理由です。笑
で、今回飲んでみてやっぱなという感じでした。初めに言っておきますがVTの影響もあってかあまり濃くはないです。
香りは、還元からくる少しの煙がまず上がるのでモヤモヤ感があります。それが何故か妙に懐かしく遠い目をしてしまう。笑 ブラックベリー系の黒系果実にそこから顔を出す様に梅、チェリーの赤系果実。
味わいも香りに対して甘味の印象が残るのは自分が身構えているからでしょうか?酸もありますが強くはないです。
2日目は香りのモヤ感が取れて艶が出てきます。赤い花、赤と朱色の果実、ピンクの薔薇などが出てきて悪くないですが、味わいが単純になってしまい赤系果実と果皮(苦味はない)、そこにやや甘さが入り抑揚がなく終始平坦になってしまいました。余韻も短め。それでもボルドー好きや最初ブルゴーニュを飲む人には絶妙なところをついてくる入口のような気もするのでこれが好きな人がいるのも頷けます。散々なこと言ってしまいましたが、自分も昔は好きだったしかなり飲んでいるはずです。モンテーニュの言葉を借りれば人間とは驚くほどに空しく、変わりやすく、移ろいやすい存在と言うことです。笑
そう考えると好きな味筋なんて変わりますし、(飲み続ければ好き嫌いはともかく良し悪しはわかってくる)ワインなんて知らない誰かの画像的”あなたウケ”で愉悦を得るのではなく、誰も相手にしてくれないけど、今ここで感じるとことんまでの”わたしウケ”で耽溺していきたいと個人的に思うのでした。

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Bourgogne Cote-d'Or Rouge2020(Domaine Bart)


ブルゴーニュ コートドール(バール)


香りは赤果実4、黒果実6くらいの割合、そこからナチュール的ではない濃い目の梅、ダークチェリー、乾燥タバコと少しの煙、灰色の岩。ミドルトーンからロウトーンの落ち着いた果実を想起させる香りで冷涼感もあります。
味わいも2020年にしてアル分12.5%で濃いと言うことはなく、しっかりあるものの柔らかいタンニン、赤い果実、果皮の苦味、構造や味わいはシンプルですが濃密ながら黒く沈んでおらずなかなか深い果実味があります。2日目は飲めず3日目に飲んだのですが決して落ちる事はなく酢酸に支配もされていないのでそれだけで十分。熟成もするでしょう。

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Clos de La Roche 2003(Gerard Raphet)


クロ ド ラ ロッシュ(ジェラール ラフェ)

凡そ20年前にTV、携帯(当時スマホは無い),インターネットのどれか一つをやめようと思ってTVを見る事をやめました。それから20年TVはスポーツを見る位で殆ど見ないできています。スポーツを見るといっても年間自らテレビをつけている時間は12時間も無いです。それとは裏腹にYouTubeは結構見ちゃうかな。苦笑
今年はSNSの使用をうまいこと控えたいと思っているのと同時にワインのバックビンを買って放ったらかしにしとくのもやめないとなぁ、と思っています。酒も弱くなりつつあるのに積み上がるっているACブルの在庫 笑 を見てややぞっとしいる年始です。断捨離したいことは日々たくさんあるのですがこちらも果たしてうまくいくのか。ちょうど2003年にヒトゲノム全塩基配列が解読されてから20年。果たして人類はどこに向かうのか。
そんな事を思う年始であります。

閑話休題 

こちらも20年前のものになりますね。
香りはカカオ、赤系果実、弱いながら湿った土と森、淡くブラックチョコ、少しの時間経過で萎れる前の赤い花、ジュヴレとはまた違った鉄分。
全ての香りは強くないものの綺麗に熟成していて弱ったところはない香りです。
味わいはまずはこのビンテージ特有の甘みがあり果実はすでに渾然一体、酸味もVTらしく温かみがあり強くはないです。飲んでみると熟成によりそれらが混然と混ざり合い口内へ広がります。余韻は長くないですが優しさが残る。笑
アペラシオンの特徴でしょうか、
力強さ、威厳、品格というよりも包み込むような包容力のある液体になっています。
グランクリュ然としているかは微妙なところですがひねたとこなどなく全くなく楽しめる液体になっていました。


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Ch.RIEUSSEC1996


シャトー リューセック

さて2024年が始まりましたが所信表明として今年は何かを始めるというより何かをやめる事を試みたいと思います。というわけで収支決算について考えてみました。ここでは単純にお金の話だけではないです。
例えば学問や学術にも収支というものがあり、時間をかけて丹念に調べ上げ、さりげなく控えめなものとして発表する。収入というのは大量の書籍を買い込み、時間をかけて読んで自分の中で丹念に咀嚼していく事で、金銭的には持ち出してあって一文の得になりません。それに対して支出は講演してお金が儲かったりうっかり有名になったりする事を言います。ここで収入と支出が反対だろと思われるかもしれませんが、お金の出入りと精神の豊かさは反比例するという事です。
人前で話したり講演したりしたことがある方ならわかると思うのですが、話せば話すほど自分の中にあるものが外に出てしまって自分が何となく空っぽになっていくのがわかります。(あくまで自分から見た話です)それに対して図書館や自室にこもって調べ物や新しい事を吸収している時の充実感。自分の可能性が広がっていくのが朧げながらわかります。ワインももしかしたら買っている時の方が充実感あるかもしれないですね。
まぁ、はっきり言ってしまえばこんな駄文を毎週並べているだけでも多少疲弊してきます。笑
良くも悪くも多くの人と繋がれて自分の切り売りをして承認欲求的なものは満たされているはずなのに関連アルゴリズムの影響かセルフカスタマイズした自分の卑しさを知ってか、知らないうちに魂まで切り売りしてしまっている為かどこか空虚感を感じている人は少なくはないように感じます。
ある程度までいけば上には上がいる事を知りますし本当にすごい人というのは表にはそう出ませんし、しかしながら出会えば至って謙虚です。

今年は言葉に気をつける。笑 
インプットの増加と無駄なsns使用からの一早い脱却。(商売で使っているわけないので)
出会える人とは出会えると信じて行動する。

果たしてどうなっているかはともかくとしてこれを心に思う事始めなのでした。

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