それでもワインが飲みたい

土日更新の脱力定期ワイン便です

Clos de L’arlot Blanc 2001(L’arlot)

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クロドラルロ ブラン (ラルロ)

当然ながらリリースしたてで買ったものではなく近年に購入した物。しかしながら、出自(出処)は、しっかりとわかっていて1度も動かされた事はない物になります。但し飲めるか飲めないかの勝負は半々。
その理由はしっかりと漏れていて、キャップシールは液体でバチバチに固まっています。当然いつ漏れていつ固まったかは不明。店主に話を聞くとその頃の輸入は吹いているものが多々あったとか。熱が入っている可能性、既に涅槃入りしている事も考えられますが、これも何かのご縁。
そちらが一元論ならこちらは諸行無常でいこうじゃないか(なんだそれは笑)という事で身元を引き受けました。
瓶から見る限りうっすら色はついているかな。だいたいこういう時は負けパターンなのですが、バッカスが微笑んでくれたのか素晴らしい状態でした。

味わいは全く落ちたところがなく、今がピークと思えるそのもの。果実、ミネラル、酸、全てのエレメントが一体となりそこに林檎や花梨の蜜が優しく乗ってくる香り。それでも果実からグイグイと押し迫ってはきません。
あゝ、香りがツマミ。
味も、もはや葡萄品種は謎と言えるような渾然一体感で舌の上を綺麗な1本道が喉奥まで縦伸びしていきます。
今もこの銘柄は素晴らしいようですが、この初代の素晴らしさ。ただし現状の値段はちと高い。物が物だけに1人で開けてしまいましたが、これは誰かと分かち合いたかった。
それにしても2001年物ですぞ、あれから20年… 歴史的にはちょうどアメリカの同時多発があった時などを思い浮かべてしまいます。
そんなワインが事故に遭いながら(漏れているの意)辛うじて生きているどころか、凛として輝き放っているところを見ると、物事簡単に見限ってはいけないですね。
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