ヴージョ プティヴージョ(ショーヴネ ショパン)
畑的にあまり飲むことがないのでいいか悪いかともかく例えてしまうならシャンボールチックなワインです。ただし陰のあるシャンボールといった風情で小粒なベリー、柘榴、朱色の果実、ほんのり煙、白い石灰系ミネラル、穏やかな黒土、少し熟成から来ている香りも混じるでしょうか。スワリングでピンクの薔薇。
味わいは瑞々しくエキシー。陰はありながら重さはなく冷涼感もあり、綺麗な赤系果実のほんのりと甘みを持ったエキスが中域で適度に広がり無理なく伸びていきます。余韻はクラスなり。
化粧っ気もなければ、ひけらかす事もせず、それ故に煌びやかではないもののー、土に汚れた人の手の温もりー、何もないカントリーサイドを歩いていた時にふと心に留まる風景、曲で言ったらKarla BonoffのThe water is wild と言ったところで聞く人によっては上手くないかもしれないし、決していつも聞きたいわけではないのだけど、心に染み入る瞬間があります。ま、近代合理主義とかLifehackとかAI化といった言葉から対極にあるような酒質かもしれせん。強いと言われる18VTは飲んでいないのですが、妙な力が入っていなければ時間が解決していくような気がします。
16と17を飲んだ感じでは変に落ちる事はないものの、このクリマに関しては初日に飲み切ってしまうのがいいかもしれません。